ロック界の化石




SPARKLEHORSE ― IT'S A WONDERFUL LIFE  2001/07/28
TRICKY ― BLOWBACK  2001/07/04
Swan Dive ― June  2001/06/26
GORODISCH ― THURN & TAXIS  2001/06/26
MOGWAI ― ROCK ACTION  2001/04/06
Tom McRae ― 1st  2001/02/16
BEN’S SYMPHONIC ORCHESTRA ― JUNK SHOP  2001/02/16
ANDY VOTEL ― STYLES OF THE UNEXPECTED  2001/02/02
Catriona macdonald ― bold  2000/11/26
RADIOHEAD ― KID A  2000/09/25
at the drive-in ― relationship of command  2000/09/23
einstürzende neubauten ― silence is sexy  2000/04/22
IAN ANDERSON ― THE SECRET LANGUAGE OF BIRDS  2000/03/24
THE THE ― NAKEDSELF  2000/02/20
PRMLSCRM ― XTRMNTR  2000/01/19
BRIGHT EYES ― letting off the Happiness  2000/01/17
BECK ― MIDNITE VULTURES  1999/11/25
AEREOGRAMME ― A STORY IN WHITE  1999/10/12


SPARKLEHORSE ― IT'S A WONDERFUL LIFE
ドラッグで幾度も死線をさまよい、最近もオーヴァードーズ時の事故で負傷して車椅子でツアーをしているというぶっ壊れた男・ヴァージニア州在住の才人、マーク・リンコスによるソロ・プロジェクト“スパークルホース”。

95年に『Vivadixiesubmarinetransmissionplot』でデビューし、98年には2nd『グッド・モーニング・スパイダー』を発表、3年ぶりにこの『イッツ・ア・ワンダフルライフ』が登場。
本作ではマーキュリー・レヴを手掛けて高い評価を得ているデヴィッド・フリッドマンをプロデュースに起用。また PJ ハーヴェイ、カーディガンズのニーナ・パーソンに加え、マークが最も尊敬するトム・ウェイツといったアーティスト達が参加しているのも興味深い。

前作までは、パンク上がりのフリーキーなギター・サウンドとを聞かせていたが、今作では、その部分は陰を潜め、よりニール・ヤングやルー・リードを思わせる静謐な歌、そしてパラノイアっぽい緻密 なサウンド・スケープが際立っている。
アメリカン・ゴシック(アメリカの土着的風土の中で歌い継がれてきた伝承歌の中のダーク・サイド面)をテーマに、呟き、囁くように歌い上げるマークのヴォーカルはアンビエント的な雰囲気も併せ持つ。
ドラム・マシーン、ノイズ、ムーグやメロトロン、スティール・ギター、チェロ、ヴァイオリンなどが織り出す緻密かつ繊細なサウンド・コラージュとシンプルなアコースティック演奏との見事なまでの融合、マーク・リンカスは本当に素晴らしいミュージシャンだ。
Date: 2001/07/28


TRICKY ― BLOWBACK
かつては、ポーティスヘッドやマッシヴ・アタックらと共に先鋭的なトリップホップの旗手として評価されてきたトリッキーだが、どんどんダークサイドへ深化。
自分でも脱け出し難い迷宮の中でここ2年ほどは悩んでいたようだ。しかし、今作品では、殻を突き抜けた明るさも随所に見られ、多彩なゲストと共に、パワフルで魅力的な曲を多く創り出す事に成功している。
フリー、ジョン・フルシアンテ、アンソニー・キーディスらのレッド・ホット・チリペッパーズ勢を初めとして、ホークマン、シンディー・ローパー、アラニス・モリセット、エド・コワルツィックらの参加により、音楽的にも多彩で、まさに『今』を感じさせる音に仕上がっている。幾分ポップさが加わったとは言え、ロックアルバムとしても十分な聞き応えもあり、この灼熱の真夏にふさわしいウェットさも持ち合わせている。
最後には、日本人メンバーの加わった日本語の歌詞による曲も1曲だけ収録されているが、かつてのON−Uサウンドを思わせるダブでこの傑作を締めくくっている。
Date: 2001/07/04


Swan Dive ― June
仕事のBGM用に買ってきた軽快で明るいポップミュージック!
閉塞感や仕事の疲れも吹き飛ばしてくれる乾いた女性ヴォーカルの爽快感が堪らない。
エブリシング・バット・ザ・ガールのベン・ワットとトレーシー・ソーンのコンビと比較される事も多いが、ビル・ディメインとモリー・フェルダーの名コンビも3時のおやつには、ぴったり。
10年後に聴いてもきっと色褪せぬ名曲がずらりと並んでいる上、知らず知らずポジティヴな気持ちにさせてくれるのも嬉しい。
これからの暑いシーズンにはうってつけの清涼感のある音楽である。冷房が効いた部屋で、のんびり昼寝する時にも役立つだろう。
Date: 2001/06/26


GORODISCH ― THURN & TAXIS
ゴロディッシュ=ステファン・クラッネルのデビュー・ミニアルバム。トータルで20分にも満たないが、素晴らしい作品なので、御紹介したい。
彼は、昨年のバッドリー・ドローン・ボーイのワールドツアーにもベーシストとして参加。
トーマス・ピンチョンの小説『ロット49の叫び』(こちらでは、寺山修司訳で出ている)を題材に作曲された繊細で研ぎ澄まされた音響処理が光る逸品である。
インストアルバムであるが、生のギター、チェロ、ピアノなどが中心となった奥深く、かつ暖かみも感じられる独創的なアルバムに仕上がっている。それぞれの楽器の際立った音の美しさを愉しんで欲しい。
人間関係に疲れた時、仕事に行き詰まった時など、たまにはこんな独創的な世界に心を遊ばせても損はないだろう。
Date: 2001/06/26


MOGWAI ― ROCK ACTION
これは素晴らしい。大傑作の登場である。
今作では狂暴な轟音ギターやフィードバックノイズを一切排し、音は極めて静謐でメランコリーに変化した。さすがにポスト・ロックの寵児ともてはやされるだけの事はある。
ベルセバやデルガドスを生んだグラスゴーから発信される最先端の音楽!シカゴ音響派に影響を受けながら、それは英国の事、独自に進化を遂げている。

どこかで聴いた事があるような曲ばかりだが、それでいて思い出せないような不思議な雰囲気に全体が包まれている。
レッド・ツェッペリンの『聖なる館』を聴きながらレコーディングをしていたというが、それらしく、ジョン・ボーナム風のドラムスが聞こえて来たりする曲もあるし、キング・クリムゾンやピンク・フロイド風の曲もある。

以前のアルバムに比べ、カラフルでメローな美しい曲ばかりを選んでいる上、ヴォーカルを大きく取り込んで変身しているが、この試みも成功している。
英国のロックシーンは停滞気味と言われて久しいが、新しい芽はあちらこちらで芽吹いて来ているのである。

国内盤は2曲のおまけが付いているが、それを除くと30分ぐらいしかないミニ・アルバムといってもいい短さだが、内容は十分に濃いし、まとまりもあるので、損をした気にはならないだろう。

ライヴバンドとしての評価も非常に高いので、コンサートを御覧になると彼らの真価がより分かるはずだ。
Date: 2001/04/06


Tom McRae ― 1st
エリオット・スミス、ポール・ウェラーらとツアーを組み、ついにデビューした26歳のシンガー・ソングライターの初アルバム。
SUFFORK地方の小さな村から、デモテープを持ってロンドンに出てきた繊細なアーティストは、今大きく羽ばたこうとしている。

1度聴いたら忘れられない歌声、哀切で胸を締め付けるサウンド。
SSWの世界では十年に一人の逸材と言っても過言ではないだろう。きっと、ポール・サイモンやニック・ドレイク、ティム・バックリーらの後継者となって行くはず。

耳を澄ませて、彼の呟きを聴こう。
「俺の音楽は運命を裏切る方向へ向かっている。世の中の90%の人々は築き上げてきた人生のレールを
ただ進んで行くだけだろうが、それこそ俺が絶対に避けようと思っていたことなんだ」
このアルバムの成功で、彼の人生は大きく変わって行くだろう。
好むと好まざるとに拘わらず…。
Date: 2001/02/16


BEN’S SYMPHONIC ORCHESTRA ― JUNK SHOP
またまた宅録の新星が登場。
ベック以来、様々な個性を持った新人が日の目を浴びるようになったのは嬉しい限りだ。

オーケストラと名乗ってはいるが、殆どの楽器がベノワ・ロウなるフランス人により演奏されている。
プロデュースは、ベノワ本人と、今を時めく、バッドリー・ドローン・ボーイの曲を担当したイアンとアンディが担当。

ベノワの脱力ヴォーカルを中心とし、ポップセンス溢れる幅広い音楽性に富んだ楽曲は飽きさせない魅力を持っている。
ベック風なものや、ディヴァイン・コメディを連想させる曲、ヒップホップのテイストを感じさせるような曲までが一枚のアルバムに凝縮され、まさにジャンクショップに紛れ込んだかのような楽しさである。
Date: 2001/02/16


ANDY VOTEL ― STYLES OF THE UNEXPECTED
昨年、一部で絶賛を浴びたバッドリー・ドローン・ボーイの影の立役者でもあり、話題の多いインディーレーベルTwisted Nerveを設立した張本人の初作品。近々、メジャーアルバムのリリースも予定されている。

ニュー・ウェーブ時代に最先端をリードしたファクトリーレーベルと比較されているトゥイステッドナーヴレーベルだが、最近沈滞気味だった英国ロックシーンに新たなる風を呼び込めそうな音作りのものを積極的に集めていく予定だそうだ。

このアルバムは、最近聞かれなくなっていたあのニュー・ウェーヴ時代に逆戻りしたかのような味わいもあるが、それでいて新しさも感じられ、心地良いのが不思議。
サントラ風の作りになっているが、バリー・アダムソンの得意とするような重厚さはなく、チープで軽めの仕上がりである。
料理に不慣れな恋人が作ったクッキーを初めて食べた時に感ずる
『嬉しいんだけど、これって何?』といった味わいと表現したらいいのかもしれない。
その、完成度の低いリラックスしすぎた音には、時々へなへなとなってしまうが、あのニュー・ウェーヴもそんな所からスタートした事を考えれば、今後の展開にも大きな期待をしたいものだ。
Date: 2001/02/02


Catriona macdonald ― bold
スコットランド北東、シェトランド諸島出身の女性フィドラー、カトリオナ・マクドナルドのソロデビュー作。(フィドルは、ヴァイオリンの別名で、全編インストュルメンタル。ヴォーカルは入っていません)
トラディショナルな伝統音楽(スコテッシュ・トラッド)を世界に紹介するには、またとない傑作!

現在20代後半のカトリオナは、91年にBBCのヤング・トラディショナル・アワードを獲得。以後イギリス国内にも名を知られるようになった。僕も、ヴァイオリンをやっていたせいもあり、この音色には強く惹かれるものがあった。バックにはスコットランドの精鋭ミュージシャンが付き、レベルの高い演奏を聴かせてくれる。

暖かで豊かな広がりを感じさせる雰囲気が横溢するこの音楽は、
喧騒に疲れた都会人をリフレッシュさせてくれるにはもってこいの一作に仕上がっている。気分がざらついた時には是非聴いて欲しい。ヒーリング・ミュージックとしても最適だろう。
Date: 2000/11/26


RADIOHEAD ― KID A
97年に出た3作目の傑作アルバム“OK COMPUTER”でポップバンドの頂点まで昇りつめたレイディオヘッドの待望の新作。
トム・ヨークは、1,2作目でホップし、3作目でステップし、今作では、ジャンプを決めて、遂にロックバンドの枠を超えて、向こう側に行ってしまった。
(ピーター・ゲイブリエルやホルガー・シューカイがかつて歩んだ道を辿るかのように…)
全編を支配する浮遊感は、三途の川を渡った所にあると言われているお花畑で疲れた体を横たえているかのような心地よさであり、
サイキックTVが見ては行けない世界を表現していた時期を思い出させるような危うさも持ちあわせている。
3年半ぶりのこの新作は、賛否両論、話題沸騰の問題作。
今年のベストアルバムと評価されるのか、それともすっかりダメになってしまったとその凋落ぶりを嘆かれる事になっていくのだろうか。トム・ヨークにとっても、分岐点になっていく作品だろう。
Date: 2000/09/25


at the drive-in ― relationship of command
ウィーンやバットホールサーファーズを産んだ奇人・変人の名産地テキサスから脅威の新人バンドが登場!!
あのニルヴァーナ以来の衝撃と英米のマスコミが絶賛のアット・ザ・ドライブ・インは、カッコいい1曲目からぐいぐい驀進。ウィーザーに似たセクシーなヴォーカルにタイトな演奏、更に何より1作目からスケールの大きさを感じさせるのが素晴らしい。
あのイギー・ポップもゲスト参加している。
音の洪水に身を晒してみたい方、平凡な日常に満足出来ない方には特にお勧め。バーボンを思い切り呷ってフルヴォリュームでこれを聴いてそのパワーを充電させれば、明日からは違うあなたになれる事は請け合いだ。
Date: 2000/09/23


einstürzende neubauten ― silence is sexy
80年代の前半、金属的なハードノイズで独自の世界を構築し、多数のミュージシャンに影響を与えたアインシュトゥルゼンデ・ノイバウテン。
あの頃は、ディス・ヒートやサイキックTV、スロッビング・グリッスル、ア・サータン・レイシオ、プロブレミスト、ノックターナル・エミッションズらのインダストリアル・ノイズサウンドが時代の最先端を突っ走った。僕もその刺激的な音には強く惹かれ、深夜に1人、聴きまくった。

あれから20年、ブリクサ・バーゲルドも40歳前後になっているはず。呟くようなヴォーカル、絞り出すようなその声は少しも変わっていないが、刺激的な音は深く沈潜。あの頃は、叩き付けるような金属音の嵐の中に絶叫するヴォーカルが混在するアバンギャルドなスタイルだったが、この新作では、不気味な静けさの中に囁くようなヴォーカル(段々ルー・リードに似てきた)が浮遊し、アンダーグラウンドなロックファン向けの独特な世界を創り上げる事に成功している。
まるで読経のようなこのサウンドは、ディス・ヒートが2作目(Deceit)の中で表現したものに共通する世界がある。トータル86分にも及ぶ大作だが、ドイツ語の歌詞には英語の対訳も付き、また、素晴らしいアートワークのジャケットにもセンスが感じられる。
Date: 2000/04/22


IAN ANDERSON ― THE SECRET LANGUAGE OF BIRDS
JETHRO TULLのリーダーのイアン・アンダースンの前作“DIVINITIES”以来、5年ぶりのソロ・アルバムの登場である。(といっても、JETHRO TULLとしてのリリースは昨年10月に“J−TULLDOT COM”が出たばかりだが)

“DIVINITIES”は、異色のクラシックアルバムに仕上げられていたが、今作では、路線を元に戻し、アイリッシュ・フォーク風の楽曲が中心になっている。
これが実に素晴らしい!!
万華鏡のように織り成すアコースティック楽器の数々が共鳴しあいながら、どこにもないオリジナルな曲を紡ぎ出している。TULLが76年に発表した“SONGS FROMTHE WOOD”も
表情豊かなアコースティックナンバーがスリリングに展開されていて最高だったが、それに続くかと思われるほどの傑作に仕上がっている。
もうそろそろ60歳近くになろうとしているアンダースンだが、
今なお感性は研ぎ澄まされ、新たな境地の開拓に成功しているのは驚きである。(年齢ゆえ、ややヴォーカルに冴えがなくなってしまったのは残念であるが)
CDの最後に、最新録音と思われる“THICKAS A BRICK”の一部がおまけに付けられているのもファンには嬉しい。

思えば、TULLとの付き合いは68年のデビュー以後、72年の初来日、通算3回の瞠目の来日公演を絡めながら、定期的に出される新作アルバムを通じて、はや32年になろうとしている。勿論、毎作が絶好調だったわけではない。停滞期、沈滞期を共に過ごしながらの永い付き合いだったのだ。
僕にとっては、人生に欠かせないバンドの1つとしてずっと愛聴させてもらっているが、今作の充実ぶりで、まだまだ今後の活躍にも期待を持たせてくれるのは頼もしい限りだ。
Date: 2000/03/24


THE THE ― NAKEDSELF
レコード屋を訪ねる度に、いつもチェックを入れていたザ・ザのコーナーにようやく新作が登場!!(この日をどれほど待ちわびた事か…)
時代の寵児・トレント・レズナーが主宰するナッシング・レコードからのリリース。ハンク・ウィリアムスのカヴァー・アルバムのハンキー・パンキーからでも5年ぶり、オリジナルではダスク以来の8年ぶりという長い沈黙を破り、天才・マット・ジョンソンは健在ぶりを証明した。
昔付き合った恋人と久しぶりに出会い、ますます魅力を増したその存在に、嬉しくなってしまうような高揚感を味わえる快作。
ハンキー・パンキーのようなカントリー色はなく、ソウル・マイニングやダスクの延長にあるアルバムで、暖かいマットのヴォーカル(いい声!)や、タイトな演奏でロックの神髄を味わえる。

今回、ギターは、元スミスのジョニー・マーから、スネイクフィンガーやイギー・ポップらと共演した事もあるエリック・シュマーホーンに変わり、ベースは、ナッシュビルを拠点にジョニー・キャッシュやケニー・ロジャースらのバックも務めていたスペンサー・キャンベル、ドラマーには、弱冠13歳でスライ・アンド・ファミリー・ストーンのツアーメンバーにも選ばれたジャズプレーヤーのアール・ハーヴィンら、腕の良いメンバー構成になっていて、スリリングな演奏を聴かせてくれる。
Date: 2000/02/20


PRMLSCRM ― XTRMNTR
結成15年を越え、ますます進化するプライマル・スクリーム!
2,000年早々に年間ベストアルバムの一翼を担う事になるはずの野心作の登場である。
今回は、ケミカル・ブラザースをも融合させ、更に過激なダンス・ミュージックを叩き付けた。サンプラーと生演奏をミックスした「スクリーマデリカ」の延長にありながら、マイルス・デイヴィスの信奉者・ボビー・ギレスピーのパンク・ジャズ風の曲はPILの大傑作メタルボックスを思い出させ、また、各曲に変化を持たせ飽きさせない。

今回のゲストプレーヤーには、マイ・ブラッディ・バレンタインのギタリストであるケヴィン・シールズや、エイドリアン・シャーウッドがミックスで、元ニューオーダーのバーナード・サムナーがジョイ・ディヴィジョンさながらのギターを、更にヤキ・リーベツァイトも一部の曲でドラムを叩いている。
因みに、アルバムタイトルの「エクスターミネーター」とは、害虫駆除請負人の事である。
Date: 2000/01/19


BRIGHT EYES ― letting off the Happiness
現在ネブラスカ大学の2年生でまだ19歳のコナー・オバーストの日本デビューアルバム。全曲が自宅録音の為、やや音が悪い曲もあるが、その才能は、ザ・ザのマット・ジョンソンがバーニング・ソウルでデビューした時や、ベックがデビューした時に感じたものと同じで、将来性を感じさせずにはいられない。
ポール・サイモンが好きで、ペイヴメントやピクシーズなどのインディーズにはまって行ったという音楽歴。
そのアコースティック中心の弾き語り風の曲から、全パートを自分で演奏したバンド風のもの(ウィーザーっぽい曲もある)まで、切なく哀切な曲は、その天性のヴォーカル向きの声と相俟って、早くもタダモノではない雰囲気を横溢させている。
Date: 2000/01/17


BECK ― MIDNITE VULTURES
1作毎に、日本で人気が倍々ゲーム状態で沸騰中のベックの新作である。(今や、ベックと言えば、本家・ジェフ・ベックではなく、こちらの方がずっとメジャーになってしまったのだ)

初来日時、女の子のファンが溢れかえっているのを見て、認識不足を恥じたわけだが、これほど、アンダーグラウンドで捻じ曲がった音が一般受けするとは、全く考えていなかった僕には、キャーキャー叫んでいる10代後半の女の子達に囲まれ、その違和感たるや筆舌に尽くし難い光景だったのだ。
しかし、目の前にいるベックは、金髪で内気そうな、何とも言えぬ不思議にはにかんだナイーブで自信なげな少年だった。演奏も稚拙そのものだったが、その明るい未来には洋々たるものを感じたのだった。

あれほど内向的で、かつ変態の代表者・ウィーンに何となく似た屈折感を内包した音が、次第次第にこなれた曲(しかし、相変わらず、変てこな音である)に移り変わって来てはいるが、これはやはり、時代の先端のポップ・ミュージックである。

前作ミューテーションズの延長にはあるものの、今作では、よりポップさを増し、やたらイエローマジックオーケストラのように、ピコピコ弾けているのだが、これが時代遅れを感じさせずに心地よい。
残念な事に、前衛度は作品毎に薄れては来ているものの、まだまだ先が楽しみなミュージシャンである。

こんなものが、売れるようになった日本のミュージック・シーンは、謎が多い。UTADA HIKARUとBECK。共通のファンはいるのだろうか。
Date: 1999/11/25


AEREOGRAMME ― A STORY IN WHITE
モグワイやアラブ・ストラップを輩出しているグラスゴーのケミカル・アンダーグラウンド・レーベルから、衝撃の新人が登場!
シングルは何枚かリリースしていたらしいが、初のフルアルバムが完成。
このバンドは、レイディオ・ヘッドの傍流であると位置づけられるだろうが、より過激にギターが爆裂している曲が素晴らしく、狂気のアット・ザ・ドライブイン・ミーツ・レイディオ・ヘッドと言ったら分かり易いかも。
しかし、音は変化に富んでおり、ストリングスを使ったスロー・バラードまであり、このあたりの音が好きな人には堪らない1枚となった。
レイディオ・ヘッドにも負けないスケールの大きなバンドゆえ、今後の展開が楽しみだ。
Date: 1999/10/12


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